“アプローチを進むと木々が風に揺れる開けた空間が見えてくる。
まず目に入るのは一つの大きな溶岩石。
そこから流れ出る水は、心地良い音を立てながら池へ入り、草木の命の源となる。
晴れた日には鳥たちが歌を歌い、雨の日には雨粒が木々を濡らし緑の濃さを一層引き立てる。
日々の暮らしの中でふと、立ち止まり、耳を澄ます。”
泉佐野市の新築ハイツにて、ビオトープを施工しました。
なんにもなかったところからこの空間ができあがっていく様子を、写真とともにご紹介します。
それではスタート!
なんとこれが最初の姿です!
本当にここに池ができるのか、誰しも疑問に思うことでしょう。(私も思いました…)
池の大きさと深さをイメージしながらとにかく掘っていきます。
より自然になるよう、深さにも変化をつけています。
このときに、仕上がりの土の高さなどが想像できていないと、深さが決められません。
想像力が試されます。
大まかに形ができあがりました!
手前に2本立っているのは、後に桟橋の柱となるものです。
続いて滝となる石をどーんと据え、池底に水がもれないよう防水シートを貼っていきます。
この石は溶岩石と言って溶岩が冷えて固まってできたもので、隙間がたくさんあり濡れると黒くなるという無骨でかっこいい石です。
たくさんの石の中から選ばれ、どこにどうやって水を流すか、会社で何度も試してみました。
この石をメインに、他の石や植栽でまわりを彩っていきます!
まずは大きな石たち。
滝が埋もれてしまわないよう置きすぎず、バランス良く配置します。
続いて滝壺まわりの小ぶりな石たち。
そして、より自然な趣を出すために、池底に粘土を貼り付けました!
寒い中、水で土を練って粘土にして池底に投げつける作業は、最初は楽しいもののなかなかしんどい作業だったと思います。
いよいよ植栽です。こちらも大きいものから配置します。
もうこれだけでかなり雰囲気が変わりますね!
流木とゴロタ石、背の低い植物を、全体のバランスを見ながら足していきます。
タマリュウやリュウノヒゲを使い、わざと雑草感を出すような植栽となりました!
全体的に緑色だけれど、その中に黄緑色や深緑色があり、葉っぱの形も様々で、見飽きることのない景色ができてきました。
桟橋と後ろの縦格子フェンスもつき、いよいよ完成です!!
ここで最初の写真を見返すと、驚きもひとしおですね。
こちらは朝の写真。
これから暖かくなって葉が茂り、また違う顔を見せてくれるのが楽しみです。
池の中に水生植物も仕込んでいるので、出てきてくれるといいな。
さて、ビオトープの完成までをじっくり見て来ましたが、楽しんでもらえましたか?
現場ではどうしたら格好良くなるかと、行ったり来たり試行錯誤の繰り返しでした。
この仕事は正解がないので、あれやこれや工夫しながら進めていくしかありません。
そのため、考えて考えて出来上がったものが「かっこええやん」と言えるものになったとき、なんとも言えないやりがいを感じるのだと思います。
まだまだこういうやりがいを感じていたいので、これからも日々精進していきたいと思います!
■2023年3月完成